お兄ちゃんと分かれて、もうすぐ1時間が経つ頃だった。
私が母さん達に電話しようと携帯を取り出した時、ふと倉庫の入口から物音が聞こえた。
みんなは何も聞こえてないようなので私が1人で見に行くことにした。
「ん?美愛どこに行くの?」
ジョンくんは私が立ち上がったのにいち早く気付いて話しかけてきた。
「ん?トイレだよ?」
私はジョンくんに嘘をついて幹部室のドアを開けた。
1階に降りていくと、暗かったので携帯のライトで倉庫の入口を照らした。
ライトを当てた先を見て、私はスマホを落としてしまった。
「お兄ちゃん!?」
お兄ちゃんが血まみれで倒れていた。
「美愛、静かに。あいつらには何も言うな。」
お兄ちゃんはそう言って今は使われていない物置部屋へ歩いていった。
私は救急セットを持ってお兄ちゃんのあとを追いかける。
「お兄ちゃん。はい、包帯とか消毒液。」
「いらない。自分で治すから。」
お兄ちゃんは苦しそうにそう言った。
少し待つとお兄ちゃんは白髪金眼になり、徐々に傷が癒えていった。
「お兄ちゃん。何があったのか聞かせて。」
すると、お兄ちゃんは私から目を逸らしてからこう答えた。
「荵さんにやられた。」
「どうして?あの人は私たちのおじにあたる人なのに。」
「俺に聞かれてもよく分からないが、ひどく母さんを恨んでいたらしいからその見返りかもしれない。」

