「……ってか今日、永人は休み?」


「うーん、病院行ってから来れたらくるのかな?」


「そんなの休みにしちゃえばいいのにね」



クスクスと笑う日奈子。



「なにがおかしいの?」



こんなふうに笑う日奈子は珍しくて、首を傾げる。



「ん?まぁ、千花は分からないだろうね」


「なにそれ!気になるんだけどー」


「気にしてなよ」



意地悪な笑みで意味ありげに微笑む。


なんだろう。
なんで、日奈子はわかってあたしはわからないの?
日奈子は永人のこと、いつも見てるからあたしにわからないこともわかるのだろうか。



「日奈子のケチ」



なんだか胸の中に黒い感情が沸いて来て、足早に歩き出す。



「ちょっとー、拗ねないでよー」



そんなあたしを慌てたように追いかけてくる。



「別に拗ねてないもん」


「明らかに拗ねてるでしょー」



だって、あたしは永人といつも一緒にいるのに。
なにも永人のことを分かってない。