「俺ら同じ人好きなんだよな」


「そうだね。気が合うじゃん」



〝あんたは英語なんて出来ないんだから、こっちで全寮制の学校に入りなさい〟って海外に転勤になるお父さんについていくお母さんに言われて、全寮制の女子中に入った。

地元の友達とも離れて、好きだった男の子とも離れて。
中学で友達なんか作るつもりもなかった。

でも、迎えた中学の入学式。
隣になった女の子は笑顔が魅力的な女の子ですぐに仲良くなったけど、男の子にトラウマを抱いていた。

仲良くなってから知ったその事実に、その頃の千花の友達たちに腹が立って仕方なかった。

千花を絶対に守りたいって思って、気づいたら芽生えてた気持ちがあった。

その時からもう4年は経ってる。
ずっとずっと大好きなんだ。



「そろそろあいつら迎えにいくか」



笑顔で言う明日汰に大きく頷いた。


いままで男の子が苦手だった千花の隣に永人がいる状況に、正直胸がキリキリ痛むけど。

あたしはずっと心で想ってきた彼女が幸せになれるなら、今日も笑顔を見せてくよ。

キミの笑顔が見たいから。