「初めて話した時からね、だいすきだったんだ」



ポツポツと話出すあたしに、優しく微笑みながら聞いてくれる明日汰。

すぐそばに自分の心にいる人がいる。
ベンチに座ってる。

こんな状況でこんな話をする……なんて滑稽なんだろうか。



「ずっとあたしの隣にいたのに、最近は永人に取られちゃったよ」



初めて会ったときから、あたしの天使なんだと思う。
いまベンチで眠ってる彼女にずっと想いを募らせていた。

叶うことなんてないし、知って欲しいとも思わない。
あたしのこのずっと抱えてる気持ちを知ってしまったら絶対傷つけてしまうってわかってるから。

だからずっと知られなくていいんだ。
こんな思いを抱いてしまってごめんってずっと思ってる。



「はは、永人が女の子に興味示すの珍しいからな。だから俺は身を引いたんだ」


「ほんとはすっごく好きなくせに」



明日汰は最初チャラそうに千花に言いよろうとしてたけど、あれは照れ隠しだったってことわかってる。