「分かってるって。俺ととかじゃなくて、千花は男とどうこうとか考えられる状況じゃないんだろ」


「う、うん……」



永人とは出会ってまだ1週間くらいなのに、彼はなぜかあたしの言いたいこと、気持ちを分かってくれる。

こんな男の子出会ったことなくて、戸惑いばかりだけど。
でも、出会えてよかったって思ってる。

あんなに嫌だった共学のクラスだけど、そこに永人がいてくらてよかったって思ってるよ。

でも、永人にだけは恋はしてはいけない。



「千花、言ったでしょ?男の子も悪いばかりじゃないって」


「……うん」



あたしの向かいで微笑んでくれる、日奈子を失うことなんかできない。

日奈子の表情の変化なんて誰よりもわかってる。
だから、日奈子を傷つけたくなんてないんだ。



「そっかー。それで、昨日は千花先に帰ったんだね」


「ごめんね」


「いや、もう日奈子の事待つなよ。俺と帰れよ」



永人が心配そうに見る。



「はいはい、千花と帰る役目は永人に譲りますよ」



ニコっと笑った日奈子。

いまのこの関係を絶対に崩さないと心に誓った。