「すぐに変えられないのはわかるけどさ、そんなに怖がってばかりじゃクラスメイトになった子たちも可哀想だし」


「……うん」



克服しなきゃいけないってわかってる。
でも、またあんなことになったらどうしようって思いが先にきてしまう。



『千花ちゃんのこと無視しようよ』


『千花ちゃん元々好きじゃなかったんだよ』


『あんなの嫌いー』



教室で飛び交う女の子たちの声。
親友だと思っていた子の声もあった。
みんなのこと友達だって思ってたのに。


男の子と関わろうとすると、あの出来事がフラッシュバックしてダメなんだ。



「なんで急に男女同じ校舎になんか……」


「いままでも渡り廊下挟んで向こうに男子の校舎あったんだから変わらなくない?」


「違うよ!全然違う!」



渡り廊下の向こう側に男の子たちが見えるのも嫌だったのに、それが教室も一緒だなんて。



「慣れだよ。慣れ。ほら、そろそろ行くよ」


「うん……」



行きたくないけど、親に払ってもらってる学費を無駄にすこともできないし。
いつかは行かなきゃならないし。