「あ、そうだ」
なにかを思い出したように、横に置いてあるカバンに手を入れる瑠衣くん。
「ん?」
「これ、あげる」
スっと差し出された白くて小さな紙袋。
「なに?」
「千花、明日誕生日だろ?本当は明日俺の準備室にでもこいって言おうとしてたけど偶然会ったから」
「あ……明日……」
明日の誕生日なんて忘れてた。
「はは、自分の誕生日忘れてたのかよ?」
「うん、あけていい?」
「おう」
瑠衣くんの返事のあと、あたしはその紙袋に手を触れる。
「あ……」
紙袋をあけて、出てきたのは小さなピアス。
「千花、あいてんだろ?」
自分の耳を触る。
「うん。ありがとう!ずっとひとつしか持ってなかったから嬉しい!」
ピアスは、小学校を卒業したときにあけたんだ。
あの辛い記憶をなくしたくて。
新しい自分になりたくて。
でも、好きでつけてるってわけでもなかったから新しいピアスを自ら買うってこともなかった。
「それつけて、元気出せよ」
瑠衣くんからもらったピアスを手にして、なんだか心が晴れる気がした16歳最後の日。
なにかを思い出したように、横に置いてあるカバンに手を入れる瑠衣くん。
「ん?」
「これ、あげる」
スっと差し出された白くて小さな紙袋。
「なに?」
「千花、明日誕生日だろ?本当は明日俺の準備室にでもこいって言おうとしてたけど偶然会ったから」
「あ……明日……」
明日の誕生日なんて忘れてた。
「はは、自分の誕生日忘れてたのかよ?」
「うん、あけていい?」
「おう」
瑠衣くんの返事のあと、あたしはその紙袋に手を触れる。
「あ……」
紙袋をあけて、出てきたのは小さなピアス。
「千花、あいてんだろ?」
自分の耳を触る。
「うん。ありがとう!ずっとひとつしか持ってなかったから嬉しい!」
ピアスは、小学校を卒業したときにあけたんだ。
あの辛い記憶をなくしたくて。
新しい自分になりたくて。
でも、好きでつけてるってわけでもなかったから新しいピアスを自ら買うってこともなかった。
「それつけて、元気出せよ」
瑠衣くんからもらったピアスを手にして、なんだか心が晴れる気がした16歳最後の日。



