「嘘だろ……」


「え?」



俺の告白が原因でいじめられたのはもちろんわかってる。
でも、それが男嫌いの原因だなんて思ってもいなかった。



「それ、俺だ……」


「は?」



いままで誰にも言ってなかった事実がついポロっと口から出てしまっていた。



「俺なんだよ。小4のとき千花に告白したの」


「え?嘘でしょ?千花なにも気づいてないの?」


「あぁ……気づいてないみたいだな」



力なく、日奈子に答えてその場から立ち上がる。



「永人?」


「俺、そのうち本当の彼氏になりたいなんて考えてたけどバカだったわ」


「え?」



トラウマの原因が俺だったなら。
それに気づいてもらうわけにはいかない。



「もう、付き合うとか考えるのやめにする」



俺がまた告白して、もしも付き合えたとして。
どこかで俺があの時の相手だと思い出してしまったら、またトラウマを思い出しかねないから

それなら、俺の思いは蓋をしておくべきだ。



「思ってるのは自由だよな……」