「……わかってるよ」



そんな運命ないってことあたしが1番痛感してるんだから。



「わかってんならまずは目の前のイケメンを見たら？ほら？」



あたしの頭をぐいっとまえに向ける。



「……え？」



まえに向けられたあたしの目に映ってきたのは、友達と談笑する更科くんの姿。



「ど、どうしよう……」



ずっと会いたかったのに、いざ見つけるとどうしたらいいのかわからなくなる。



「瞳？」


「逃げたい……」



どうすればいいかわからなくなったあたしから出てきた言葉はなんとも情けないものだった。



「は？なにから？」



意味がわからないと言うような顔であたしを見る。



「……っ」



友達と話してた更科くんがあたしの後ろにも友達がいたみたいで、そちらに手を振る。

そして、もとの位置に視線を戻そうとしてあたしのことを視界に入れる。



「……やば」



見開いてく彼の目に、気づかれたと彼に背を向けて歩き出す。