颯斗の病室と同じ階の広間が近くなった時、何やら騒がしい声がした。









「乃亜ちゃんは相変わらず美人だねぇ。わしがあと20年若けりゃプロポーズしてたのに」









「相川さんには綺麗な奥さんがいるでしょ?毎日お見舞いに来てくれて愛されてるじゃない」








「いやぁ、綺麗だったのは昔だけさ。今はヨボヨボのただのばあさんだよ」








「今の、奥さんが聞いてたら、きっと今頃追いかけられてるわね」







「怖いこと言うな」










広間を覗いてみると、漫画の世界から出てきたんじゃないかと思うほどの美人とその子を囲む何人もの男性。







年は同じくらいだけど、私とはタイプが全然違うように見えた。













「あ、そうだ。早く家に帰ってみんなに連絡しないと」









サッカー部の部員たちに、颯斗の様子を連絡しなくちゃいけないことを思い出して私はその場を跡にした。











後ろからは、さっきの数名の男の人たちと乃亜と呼ばれた女の子の声がしてた。