文化祭から一週間







颯斗の病気はゆっくりとでも確実に進行にし、唯一動く右手あまりも動かなくなってきた




そんなある日





病院の近くに水族館が出来た。






巨大な水槽を中心にたくさんの魚が泳いでいる広い水族館だ。













「優杏も行ってみたいと思わないの?」









病院に行く途中、桃花が聞いてきた。
















「行ってみたいとは思うけど、一緒に行く人いないし」









颯斗と行ってみたい気はするけど、病気が進行しているから外出して良いかどうか分からないし。

















「颯斗くんと行って来れば良いじゃん」














桃花に言われ、ぎょっとする。










何で私の思っていること分かっちゃうのかな。















「で、でもこの前文化祭で外出許可もらったばかりだし」









お医者さんもあの時、今回だけって言っていたから、多分今回はもうもらえないと思う。








ちょっと残念だけど。


















「またもらえば良いでしょ。まずはそれとなく颯斗くんに聞いてみな」

















「う、うん」


















そもそも颯斗は水族館とか興味あるのかな。