そう思ったのもつかの間、霧矢さんの腕が腰と膝のしたに回ってきた。
次の瞬間、私の視界は反転した。
「きゃっ!?」
足が地につかない!?
「ごめんね那珠ちゃん。あんまり手荒な真似はしたくなかったけど…」
すぐ近くにある霧矢さんの整いすぎた顔。
これって…
お姫様抱っこ…!!???
私のThe first timeThe first time(?)が!!!
嘘……私こんなの嫌よ…
「い…ゃ…よぉ…」
ね、眠たい…〜っ
目尻が下がっていくのを感じる。
「那珠ちゃん?」
「どうした?」
「いやなんかさ…」
日頃の疲れと、今日のストレスで私は霧矢さんの胸の中でいつの間にか寝ていた。