星歌〜届かないほど遠くにいる君に〜




「LIVE見に行ったぞ〜、今回もそーとー盛り上がってたな!」



「そうね。私、あんなに人気が出るなんて思ってもいなかったわ…」


「…と、また澪とお前ん家よるから!」



「部屋はまだダンボールだらけだけで汚いけど、それでいいなら。」


私はそう言って大和に微笑みかけた。

すると大和はポケットからスマホを取り出し、高速で画面を打つ。



は、速い…ーー

私はこの前ガラケーからスマホに変えたばかり。


「もーすぐ担任くるからな…待ってろ「失礼しまーす!」


瞬間、理事長室の扉が勢いよく開いた。

「おめー、おっせーよ」


「すまんすまーん!で、那珠はどこ?」

???

私は後ろを振り返った。

すると、その人は私を見ていたのか目が合う。

「なななななな那珠ーーー!!!」


抱きついてくるその人。

いっ、いったい誰なの!?



「おい、平輔(ヘイスケ)!那珠がこまってるだろ!」


「ごめんごめん…那珠ー久しぶりだなあ!」


その人はのそりと顔を上げた。


…このイケメンは…


「へいちゃん!?」


「おーう、そうだ!へいちゃんだぞ!」


その人物は大和の双子の弟ー…へいちゃんだった。