何が何だか分からないまま電車に揺られていると、車内にはどんどん人が増えていった。


窓の外を見る。近くには突き刺すような原色の明かりが、遠くには瞬くようなビルの光が広がっていた。



2人で向かったのは、都会のど真ん中にある遊園地。



「さすがに夢の国は遠いから、ここで。いいホテルも取った」


「うそ……」


「行こ」



手をつないだまま、色とりどりの光が飛び交う園内へと進んだ。


嬉しさやら気まずさやらで、どう反応したらいいかが分からない。



ただ、久々に感じた温もりはやっぱり愛おしくて、切ない気持ちになった。



うん。今は細かいことは忘れよう。



「ねーあれ乗りたい!」


「ん、いいよ」



せっかくの久々のデートなんだから。