行く場所もないので、高校に向かってみた。
下校時間は過ぎているけど、文化祭前日のためか光を発している教室もあった。
あ、うちのクラスも……明かりついている。
校舎に入り、教室の扉を開けた。
机と椅子は教室の隅によせられている。
視界に入ったのは、広いスペースに置かれた看板と、絵筆を片手にしたミシマだった。
「あれ。よねこじゃん」
「ミシマ……まだやってたんだ」
「うん。1人だと意外と時間かかって」
文化祭の前日につき、今日は野球部が終わる21時まで残っていいらしい。
わたしが下描きをしておいたタコは、まだ半分くらいしか色が塗られていなかった。
「わたしもやろうかな」
「いいの? 旦那は?」
「うん。今日はいいの」
「そっか、じゃあ手伝って……って、そこで着替えんなよ!」
さっそくジャージに着替え始めたわたしを見て、さすがのミシマも赤くなって顔を伏せた。

