なおくんは追いかけてきてくれなかった。
結局、制服のまま、夜の国道沿いをとぼとぼと歩いた。
秋の冷え込んだ空気を車やトラックが切り裂いていく。
突風にあおられていると、次第に心が落ち着きを取り戻していった。
わたし、ひどいこと言っちゃった。
でもなおくんもなおくんだ。なにそれ。お金を稼いでやってるんだから大人しくしてろってこと?
仕事頑張っているのは分かる。だけど、わたしにだって感情はある。
ただ、勢いで出てきてしまったものの、どこに行けばいいんだろう。
「あ……」
ふとポケットに入れていた携帯を見る。
設営係たちのグループラインがせわしなく動いていた。
『やべーたこ焼き器1つ壊れたって』『調理チームは?』『あいつらのん気に買い出し行ってる』『うっそ。200人前作るんでしょ?』『誰か持ってないの?』『俺、知り合いに聞いてみる』『2つゲット』『今から取りに来いって』『ごめん、わたしそろそろ予備校行かなきゃ』『うっそ。まだ看板できてないよ』
『看板は任せて。たこ焼き器はよろしく』
一応は問題は解決したようだ。ふぅ、良かった。
ちなみに看板はミシマに任せられたっぽい。
時間は18時半。ちょうど最終下校の時間。
いや、もしかして。
あいつのことだからまだやってるんじゃないのかな。

