そう、思ったけど。


お風呂に入って寝る準備をして、ベッドに行くとすでになおくんは眠っていた。


もやもやした気持ちのまま、電気を消す。



――ん?



暗闇に包まれた部屋の中で。


テーブルに置かれた、なおくんの携帯だけが明かりを発していた。



自然とその光に視線が行ってしまう。



画面はロックされている。


でも上部には新着メッセージが表示されるようになっていた。



「え……」



わたしの視界に入ったのは、


明らかに女の人だと思われる名前。



そして『今日はお疲れー。私でよかったらまた話聞くよ』という文字。



今日一緒にいた先輩って、女の人?


本当にただの先輩?


私でよかったらまた話聞くよ、って。まさか2人きりでご飯行ったの?



でも職場のつきあいは大事だろうし、なおくん体育会系だから先輩の言うこと聞くだろうし。



せまいベッドに入る。



なおくんに毛布が占領されていた。


起こさないよう、ゆっくり引っ張ってからわたしも横になる。



すーすーと気持ちよさそうな寝息とゆっくりした振動がつたってくる。



すぐ近くにいるのに、温もりが遠い。


どくどくと嫌な鼓動が鳴って、寝付くことができない。