「……あ、お兄ちゃん」


ほとんど何も話さずに帰ってきた私たちは家の前でお兄ちゃんに出くわした。

ただいま9時すぎ。


1番出会いたくない人で最悪なタイミング…


「亜実?…あ、響もいたの。」


「おう、丁度一緒に帰ってきたとこ。」


「ふーんそっか。」


笑顔の裏が想像できてとてつもなく怖い…

こないだ注意されたばっかなのに〜


棒読みで返事するお兄ちゃんにサーっと血の気がひいていく。


「亜実。先家入ってて」


お兄ちゃんのその言葉に渋々従う事にした。


「じゃ、じゃあね響くんまた明日。」


「おう。」


そのまま私はそそくさと家の中に逃げ込んだ。

お兄ちゃんに怒られる前にちゃっちゃと寝てしまお。