でも、考えてみれば亜実は昔から泣き虫で泣く度俺が助けてあげてたっけか。


両手で目を擦る亜実に目を落としながらふと物思いにふけっていた。


「つか、いつまで泣いてんだよ、早く泣きやめ俺が泣かしたみたいになるだろ」


亜実を引き寄せブレザーの袖をぐっと目に当てた。


「わわわ!?……ご、ごめんなさい。」


急に涙を拭われて驚いた顔した亜実はすぐに謝った。


「別に……」


謝る亜実を置いて先を歩いていく。


「……私の事嫌いになった?」


その言葉にピタリと足を止めて後ろを見るとまた泣きそうな不安そうな顔して突っ立っていた。


「………は?なってねぇって。めんどくせぇから早く歩け、日が暮れる。」


そう冷たく言うと亜実の不安そうな顔が一瞬にして笑顔に戻り、走って俺の横に来た。


こいつ、何考えてるのかわかんねぇ。