嫌味なほど綺麗な顔たちだった。
汚れ、傷すらついていない透明感ある肌に、その肌を余計綺麗に見せる真っ黒な髪。
鼻はスッと通っていて、目は女の子なら誰もが憧れる二重、アーモンド型だ。
唇は色っぽくうっすらとした赤。
素直に羨ましいと思った
綺麗すぎる顔...
でもこんな夜中にブランコに座りながらポテトチップス食べるなんて絶対変人だ。
出来ることなら関わりたくない。
「ーーーおい神庭(かんば)!!!!テメェ1人でノコノコ来やがって!!俺らのことナメてんのか!!??」
「今日こそぶっ殺してやる!!」
複数あるバイクに私達2人は囲まれた。...私はまったく関係ないんだけど。
ていうか、私の隣に楽しそうに立ってるこの"神庭"と呼ばれた男...一体何者なんだろう?
「テメェらこんな夜中にバイクで来るとか非常識すぎる。
うるせえんだよ、毎回毎回ブンブンブンブン。潰れちまえ、つか辞めちまえよ暴走族」
言いながら神庭さんはパーカーから顔を出して、落ち着いた様子でポケットからタバコを出し火をつけ吸い始めた。
モクモクと風で流れ始めるタバコの煙。
こんなに大勢の人に囲まれてるのに、微動だにしない神庭さんはやっぱり変人だ。


