人生ってほんと、なにが起こるか分からないもんなんだね。



真面目だけが取り柄の私と悪さばかりする圭が恋人として関係を持っていたなんて、今更だけどすっごく変な感じ。



同じ人間のはずなのに
進む道はいつも違っていて。




黒板に書いてある文字をただノートに写して

親の言うことだけを聞いて生きてきた私にとって

本当に圭の存在は刺激的で抜け出せない、麻薬のような存在だった。






遅すぎる反抗期
初めて親に反抗できたのも、圭のおかげ。


今どき門限付きの子供なんてなかなかいなのに。

心配ばかりして一方的に気持ちを押し付けてくる親を鬱陶しいとさえ思っていた。





『私、家出て好きな人と住むから』




はじめて母親から買ってもらったメガネをテーブルに置いて、生まれ変わった気分でそう告げて家から出た。




もちろん引き止められたけど聞かなかった、だって圭と一緒に居たかったから。




今思えばほんとバカだと思う。




そんな圭に遊ばれてるとも知らずに


ずっと圭に尽くして青春を過ごして。




でもそんな圭との関係は呆気なく終わった



ーーー終わったはずなのに...




吹っ切れた瞬間にこれだよ



次に私の前に現れた神庭流という男。



初対面から馴れ馴れしくて、でも優しくてしっかりしていて。


一ヶ月ちょっと彼の隣に居ただけで完全に気を許していた。



その気の許しが命取り。



暗い暗い世界を脱出して、目を開くと
見慣れた真っ白な天井がボヤけた視界に映った。