黒いパーカーを深く被った男、この角度からじゃ顔は見えない、けど。ものすごく怪しい。
...幽霊だったらどうしよう...。
寒いから震えてるのか、怖いから震えてるのか
どっちか分かんないけど、とりあえずこの場所から離れた方がいいのかもしれない。
足を動かせば空気を読まない砂の音がザァ...と鳴り出す。
そのせいで怪しい男と目が合った。
バッチリと、逸らすことすら許せないくらい、しっかりと目が合ったんだ。
「...なに、お前。こんな時間に、家出少女?」
ブランコを軽くユラユラ揺らせて、手に持ってるポテトチップスをバリバリ食べながら話しかけてきた男。
...何この人...変人?
「え...いや、えっと。
家出じゃない...です。」
「...ふーん、女が1人で変なの。
さっさと帰らねーと、めんどくさいことに巻き込まれるぜ?」
「めんどくさいこと...?」


