「浮気されて捨てられて惨めな思いしたけど...もうどうでもいいから圭のこと」
「...」
「圭が私を振ったその日から、あんなに楽しく笑いあってた夜季にまで牙向けられて...圭の女ってだけで、勝手に姫にさせられてた私の気持ちも考えてよ!!」
「...」
「もう流がいるからいい。
圭なんて、圭なんて大っ嫌い!!」
投げ捨てるように吐き出した言葉は、感情が剥き出しになるほど私を興奮させた。
大っ嫌いなんて嘘...
ほんとはまだ好きだよ。
でもね、もういらないから。
簡単に裏切られて、簡単に捨てられる私なんて
圭にとってそれまでの存在。
だから流に拾われたあの日から、私はーーー圭の敵になったんだ。
「それじゃあ、面倒くさくなる前に逃げますか」と、流はチラッと横目で後ろを確認。
どうやら私たちのただならぬ雰囲気に、後ろで走ってる夜季のメンバーが我慢出来ずに迫ってきた。
圭のバイクを追い抜いて、家に向かってバイクを走らせる流。
ーーー気持ち悪いくらいに静かだった。
圭が追ってくる気配もないし、いつもキラキラと派手に光ってるネオン街がらしくなく色あせていた。


