「...っ!
こんな道路のど真ん中で喧嘩売るとか正気かよお前...つか俺がいつお前に喧嘩売ったんだ?」



ぐらついたバイク、でもすぐにバイクを安定させる圭。




「あん?総長さんまじで身に覚えねーの?
俺の”女”がてめぇみたいなふざけた野郎に遊ばれて捨てられたんだよ」



「...お前の女?俺がいつお前の女と遊んだんだよ」



「こいつだよこいつ」



片手運転なんかお手の物、流は片方の手で私が被ってるヘルメットを器用に外して、圭に私の顔を晒した。





「...っ...!!??
...はあ?なんでお前が神庭と一緒にいるんだよ紬...」




流が私のヘルメットを外すまで、圭は本気で私だと気づかなかったらしい。
驚いて目を見開く圭、すっごくマヌケな顔、ちょっとだけスカッとした。




「てめぇがゴミのように捨てた女は今、俺が拾い綺麗に愛してあげてるぜ?? 」


「...」



「失恋の痛みを慰めるように抱いたらこいつ、俺にベタ惚れ、お前のことなんかすぐに忘れさせてやったよ。
ほんといい女捨てたよな総長さん」




抱いてなんかないくせに...
嘘ばっかり、デタラメを言う流。



でも訂正はしない。
だって私は圭なんかさっさと忘れたいから
流の嘘に乗っかるんだ。