「...お前の言う"反省"とは、一体どういう意味だ。
まさか不良を辞める。ってだけの反省か?
そんなんじゃ、今までお前が迷惑をかけた人達の償いにもならんぞ」
ハッと鼻で笑って、バカにしたように少しだけ前のめりになる父が、古くなった家の床を思いっきり踏みつけては軋(きし)ませる。
それに負けじと前へ出る流が、父とガッチリと目を合わせた時。
斜め後ろから見る彼の横顔が、少しだけ笑ってるようにも見えた。
「普通の人間に戻るってことが、どれほど大変か。
本当はあんたも分かってんじゃねーのか?」
「...っ!?」
「娘の幸せ...本当に願うなら、もう少し素直になった方がいいぜ?"おっさん"」
さっきとは全然違う態度に、父も母も呆気にとられて、言葉が出てこないみたい。
彼女の親に挑発って。
どんだけ怖いもの知らずなの、流ってば。
だけど...その生意気さに憧れて、好きになったのはこの私。
流はやっぱりどこまでも、不良という性質は捨てられないみたい。


