【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー





「お父さん...!」


父の前に、立ちはだかったのは流ではなく娘の私で。


出て行ったり帰ってきたりを繰り返してきたこの家の、中と外の境界線を壊せるのは



"私しかいない"と。



昔から私の帰りも出て行くことも許してくれた、お家の玄関が喋れもしないのに懐かしさを醸し出すから
そう、教えてくれてるみたいだ。




「私は...っ、私は流が好き」


「...っ」


「好きなのに一緒に居ちゃいけないなんて、そんなのおかしいじゃん!!
好きだからこそ、一緒に居なきゃ...」



歳なんか重ねたって、意味なんかないでしょ?



居たいよ、ずっと。


隣で

...ううん。

離れても 心だけは、私たちの心だけはずっと寄り添っているはず。



だから。




「私の...娘の幸せを願うなら、私と流のこと認めてよ」



お父さんが反対したって

この恋は、この気持ちだけは


ーー譲る気なんか、ないんだから。