朝の太陽の光がバイクに跨る私と流の背中を照らし、勇気づけているみたいだ。
並木道。春が溢した、桜の涙。 ヒラヒラと舞っては、私の鼻の上に乗る。
「ねえ。春ってさ、別れの季節なんだよね・・・?」
桜の花びらを見ると、なんだか切なくて――。
絶対に弱音を吐かないと決めた決断を、すぐに裏切らせた。
でも。
「じゃあ、別れたって離れられないムギと俺には。一生春なんか来ないな」
笑いながら言う。
流が強く握ったハンドルは、今から幸せに向かうために走行している。
「親に反対されたって、私、流とは絶対に離れないからね。だから流も私の親になに言われたって怯まないでよ」
「バーカ、当たり前じゃねーか。俺を誰だと思ってんだ。あの流様だぜ?」
笑顔で受け止めてくれるあなたが好きすぎて、本当にどうにかなっちゃいそうだよ。
なんだか幸せすぎて溢れ出ちゃいそうな涙を堪えて、流の背中にしがみついていた。
きっとこれから、もっと好きになる。
これ以上好きになったら、壊れてしまいそうなくらい愛してしまう。
だけどそんな覚悟はとっくに出来ているから。
その愛でどうか、私を壊してください――。


