今夜は一晩中、流に抱きしめてもらいながら眠りについた。
甘い雰囲気が出るのは、恋人だから当たり前だけど。
幸せって、限られた人とじゃないと、やってこないもんね。
愛がなくなった瞬間、不幸せになり別れるのが恋人なら
いっそのことーーー流と離れられないような関係を築きたい。
そう愛より依存。
お互いに依存していれば、離れることなんて絶対にありえないからーーー...。
*
次の日朝目を覚ますと、真っ白な布団から出たくなくなるほど、猛烈な眠気が起きたばかりの私を襲った。
あの家じゃ...ぐっすりと眠れないけど、流の匂いに包まれているとずっと眠りたくなる。
「ムギちゃん、そろそろ起きてくれねーと困るんだけど」
っと、眠り姫気取りの私を起こす王子様は、似合わないタキシード姿で私をビックリさせる。
おかげで目が覚めた。
「流...なにその格好? 朝から私を笑わそうとしてるの?」
「ばーか、んなわけねーだろ!! つか、笑わそうとしてるって。オメェ失礼な奴だな〜。
この流様に似合わない服装なんてねーだろ。 今日も俺様かっこいい」
「...このナルシスト...タキシードで朝から遊んでんじゃないわよ」
「遊びじゃねーよ」
「...えっ?」
急にピリッと雰囲気を変える流は、鏡を見ながらネクタイを絞めた。
そして。


