血なんて、繋がってても意味無いね。
心の繋がりがなければ、相手を思えやれない。
そんな私と親との関係をそっとしか見守れない流に段々と嫌気がさしてくる自分がいる。
「好きなら、愛してるなら...っ、私の味方だけしてよ...っ」
「ムギ...」
「愛情を注がれて育っていくのが子供なら、愛情を注がれなかった私と流には、親なんて必要ないでしょ...?」
なら、それならね。
2人で生きていこうよ。
そしたら...きっと。愛し合うものだけが創り出した世界なら...幸せしか生まれてこないから。
「ムギ...ごめん。お前が辛い時に、なにお前の親の味方ばっかりしてんだろう...」
親に愛されなかった流が、寂しさを含んだ声を私の耳元で吐き、ぎゅっと抱きしめる。
流は、私に理想を押し付けていたのかも。
流と流の親は、きっともう親子には戻れないくらいまで関係が崩れてしまったんだ...。
だからまだ。親と関係を続けてる私には、その関係を保ってほしい。
子供は親から愛されて、やっと幸せになれるのだと。
そんな親と子の固い絆を流はこの目で見てみたかったのかもしれない。


