「とりあえず上がれよ」
「あっ、うん、お邪魔します」
中は一人暮らすには快適な1Kマンション。
なんでもお墓が近いことから、家賃は少し安くなっているらしい。
綺麗すぎて緊張しちゃうけど、流の家に居た時のように、生活に必要な最低限のモノしか置いていない。
流らしくて...流が住んでるだなって一目見て分かっちゃう私ってヤバイやつ。
「ムギ、何飲む?」
「ココア」
「おめぇ、そればっかだよな。
まあいいけど」
だって、流が入れてくれるココア
甘くて美味しいんだもん...
私がココア好きになったのだって
流の入れ方が上手いせいなんだからね...。
「熱いから気をつけろよ」
「うん、ありがとう」
渡されたココアに口をつけて。
やっぱり流が作ってくれたココアが一番だなって。
胸がポカポカするよ。


