「まじで勘弁してくれよ...」
「流ごめんね...嘘ついて」
「バカな嘘はやめろ、本気で心配したんだぞ...。
ムギになんかあったら俺...生きてけねーよ...」
「...うん、ごめんね、」
流が私の手を掴んで立ち上がる。
触れられただけで、その部分が熱くなる。
どうしよう...
久しぶりの流にドキドキが止まらない。
春だからって油断してたら風邪を引いちゃう風の冷たさ。
ちょっとした会話もないまま流に引っ張られて
連れてこられた場所は、これといって目立った汚れはないが、少しだけ年季が入っているようにも見えるマンションだった。
「流ここって...」
「新しい俺の部屋」
「えっ!!??」
流一人暮らしついに始めたの!?
でも流の親って確かあんまりお家の方に帰って来ない人なんだよね...?
実際、流の家に数ヶ月居座ってたけど
帰ってくる気配もなかったし...。
なら、別に引っ越さなくてもよかったんじゃ...


