【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







「うん、でもすぐに流が助けに来てくれたよ」




「...あいつ、俺らになんにも相談しないで1人で行きやがったからな」



「...えっ?」



「ほんとあいつ、紬の事となると周りが見えなくなるから流には困ったもんだよな...。
お前が居た場所が夭嵐の倉庫じゃなくてよかったよ」



「...」



「一歩間違えたら流、やられてたかもな。
さすがに大人数相手じゃ、いくら喧嘩慣れしてるあいつでも無理だろ、お前も人質に取られてるし」



「...りゅう...」



「まあそれでもお前を助けに行くところが、あいつらしいぜ...」




ゴクリと圭が水で一息つく。



初めて聞かされた真実に
嬉しかったと同時にショックだった。



もし...あの時もっと人が居て
流が危ない目にあってたらって思うと
ひどいくらいに胸が痛む。



ギュって。苦しくなって。
息が...しづらくなった。