「...圭」
「なに、お前泣いてんの?」
「...関係ないでしょ...」
泣いてる姿見られるなんて恥ずかしい...
馬鹿にされたくなくてそっぽ向くけど
「...相変わらずめんどくせー奴だな、行くぞ」
「えっ、ちょっ!!どこに?!」
強引に私の手を引いて歩き出す圭。
いつも冷たかった圭の体温が
今日は妙に温かくて、流を思い出してまた泣いた。
*
「紬、お前なに飲む?」
自動販売機の前で立ちながら聞かれ
小さな声でココアを頼んだ。
圭に連れてこられた場所は
私が圭に振られてメソメソと泣いてた、とても思い出深い公園だった。
ここで流と出会ったんだっけ...?
懐かしい。
「紬、お前夭嵐に拉致られたんだってな」
言いながら、ココアを渡してきた圭。
ありがとうって。素直に受け取って。
1口飲んだら口の中が甘さで甘やかされた。


