【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






「...圭」



「なに、お前泣いてんの?」



「...関係ないでしょ...」



泣いてる姿見られるなんて恥ずかしい...


馬鹿にされたくなくてそっぽ向くけど



「...相変わらずめんどくせー奴だな、行くぞ」


「えっ、ちょっ!!どこに?!」




強引に私の手を引いて歩き出す圭。



いつも冷たかった圭の体温が
今日は妙に温かくて、流を思い出してまた泣いた。















「紬、お前なに飲む?」



自動販売機の前で立ちながら聞かれ
小さな声でココアを頼んだ。



圭に連れてこられた場所は
私が圭に振られてメソメソと泣いてた、とても思い出深い公園だった。



ここで流と出会ったんだっけ...?



懐かしい。







「紬、お前夭嵐に拉致られたんだってな」



言いながら、ココアを渡してきた圭。



ありがとうって。素直に受け取って。
1口飲んだら口の中が甘さで甘やかされた。