【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






地面に転がってる鞄を男が拾ってくれた。



お礼を言おうと顔を上げるけど
もう男の姿はなくて。


多分急に泣き出す情緒不安定なこんな女とは関わりたくなくて逃げたんだと思う...




鞄投げてごめんね...。



「ぐずっ...」




涙で顔がぐちゃぐちゃで
このままじゃ家に帰れないから、空を見上げながら突っ立ってると




「紬...?」



後ろから名前を呼ばれておもいっきり振り返った。




もしかして流...!?なんて。



淡い気持ちを持ちながら期待してた。



空の色はオレンジで、人の顔が見えやすい明るさにおもいっきりガッカリした...。