【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー









「まじで夜季も落ちぶれたよなー。
総長が神庭になって全然暴走してるとこ見ねーし」


「夜季、俺らの憧れだったのになー」




ギュッと唇を噛み締めたくなる気持ち。



たまたまこの場所を歩いて
たまたまぶつかって
そのぶつかった人が、たまたま流の悪口を言っている。




聞きたいのはそういう事じゃない


聞きたいのは流が元気でやってるかどうかなのに...っ





「流の悪口言わないでよ!!!!」



感情的になって、持っていた鞄を男の背中目掛けて投げた。




「...っ!?いってぇ!テメェなにすんだよ!!!!」




ちゃんと鞄、男の背中に当てたのに
全然スッキリしないじゃん。



ねぇ、なんでなの。


なんで...なんで流は簡単に私から離れていっちゃったの...?




「ふ...ふぐっ...うっ...っ...っ」




道の真ん中で泣くなんて我ながら情けない。




「えっ、ちょっお前泣くなよ。
俺が泣かしたみたいじゃん」



急に泣き出した私にどう対応していいのか分からず
焦る男はもっと情けない。