流との奇妙な暮らし(関係)が始まった。



次の日の夜、出会った公園に流と二人で来て
流は昨日公園に捨てたタバコを拾い
ちゃんとゴミ箱に捨てるという見た目からは想像出来ない行動を見せた。




「...タバコ捨てるためにわざわざ来たの?」



言いながら、夜風で冷えた真っ赤な鼻を手で触る。



「あたりめーだろ。
昨日はゴミ箱に捨てる暇なんかなかったから仕方なく地面に置いたけど。
俺はどんなに悪いことしてもポイ捨てだけはしねえ」




風で飛ばされないように
土にくいこませてあったタバコ。



いい人なのか悪い人なのか、流ってほんと掴めない。





この後、バイクでネオン街を走りながら流に連れてかれた場所は服屋さん。



流は何も言わず私の服を買い漁った。



センスの良い流、サイズまでピッタリで正直びっくりした。



でもさすがに悪いと思って



「流、私の服なんて買わなくていいよ、お金ないし」



と、当然断りを入れるけど。





「同じ服ずっと着とく気か?
お前の制服は年中無休で働いてはくれねーぞ?すぐ汚れるに決まってる」



真っ黒な財布を片手に、買い物かごいっぱいに服を入れて、レジでお会計。



財布の中からチラッと見えた札束の数に目が点になった。





...ほんと、なんでこんなに金持ってるんだろうこの人...。