「よそ見してんじゃねーよ!!
ちゃんと歩け馬鹿野郎!!」
「あっ...すみません」
なにもそこまで怒らなくてもいいじゃん...
まあ考え事しながら歩いてた私が悪いけど。
ぶつかった男にぺこりとお辞儀をして謝った。
男は『ちっ』と分かりやすく舌打ちをして
一緒に歩いてる友達にまた目を向ける。
なんか気まずいし早く男から離れたくて
ローファーで地面を蹴って走ろうとしたとき。
「ーーーそれでよ、あの神庭流って男マジむかつくんだよー」
後ろから聞こえてきた...いや聞き間違えかもしれない。
流の話題に触れた耳が熱くなって、おもいっきり後ろを振り返った。


