「言ったよね?わたし、彼氏いるって」
無表情のまま、ストローをくわえて大好きなオレンジジュースを飲んだ。
「んー、でも彼氏いるくせに合コン来るってことは
そんなに彼氏のこと好きじゃないんでしょ?」
「...はあ?」
「そいつじゃ満足できないから、こんなとこ居るんでしょ...?」
「なっ...!!」
なにこの男、めっちゃムカつく!!
なんにも知らないくせに。
ていうか流に満足出来なかったら
この先どの男にだって満足できないよ!!
「わたし...帰る」
始まったばっかりの合コン。
時計の針だって全然動いてないし。
座ったばかりのソファから立ち上がる。
「えっちょっ紬ちゃん!!?」
慌てる田中君は私の肩を気安く触ってきた。
「触らないで、じゃないとオレンジジュースかけるから...」
まだオレンジジュースが残ってるコップを田中君に向けて脅したら
田中君は何も言わずに手を引っ込めた。


