やるなら、さっさと済ませてほしい。
もう何もかもどうでも良くなって、自暴自棄になったとき。
暗い意識の中、どこからか聞こえてきたバイクの音に閉じたばっかりの目を開ける。
聞き覚えのある音...
バッ!!!と顔を思いっきりドアの方に向けたら
ーーー1人の男が、深い闇と同化しながらそこに立っていた。
私を助けに来る人なんか...1人しかいないじゃない...。
「りゅう...!!!!」
「ムギ!!!!大丈夫か!!??」
またその名前を呼べた事に喜びを感じる。
涙目に映る、いつも余裕のある流の顔から余裕なんてものはなくなっていて
鼓動を早めちゃうくらい私を惑わせた。


