けど。
倒れている私の頭の上で
ーーーガッ!!!!と鳴り出す鈍い音はまさに狂気そのもの。
怖いってもんじゃない...意味が分かんなかった。
頭がついていかなくて、余計に私を混乱させる。
「ちょっ、総長待ってくださいよ!!」
「俺ら何も...ぐっは!!!!」
次々と血を吐いて倒れていく男達を見て身震いした。
私のことを襲えと命令したこの男が
なぜか自分の仲間を殴っている。
ーーーなんで...?
もしかして助けてくれたの...?
でも拉致ったのはこの男なのに...
救われたのかと勘違いして
光を失った目に、また光が宿った瞬間。
また二人っきりになったこの部屋で
男は私の上に馬乗りする。


