「......さっきも言ったろ?
足でまといになる奴なんかいらねーの。
それは仲間も同じ。
俺は俺が得する奴としか一緒にいねぇから」
暗闇に慣れたはずの目が、また暗闇に支配されて
男の姿を闇の中へと隠した。
ねぇ...なんで?
なんで私、こんなにイライラしてるの?
男の言ってる事が間違ってるから...?
違う。
私は知らない人のために怒れるほど人間できてない...
だけど
さっきからこの男の口から出る言葉が"当てはまる"んだもん...
優美が悲しそうに話してた話と...ものすごく似てるんだもん...。
優美を裏切ったのはコイツだ。
「どうせもう助けも来ない事だしさぁー。
そろそろお開きにしようぜ?紬ちゃん」
優美にひどい事したコイツに何もやり返せないなんて悔しくて悔しくて...
噛んだ唇からツゥー...と少しだけ血が出た。
パチンと男が指を鳴らしたら、それが合図のようにドアが開いた。
開いたドアから漏れた光が私の目を輝かせて。
それと同時に男の顔も見えるから不愉快でしょうがない。
ぞろぞろと部屋の中に男が入ってきた。


