【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー









そもそもいじめられたから自殺するなんて間違ってると思う。



地獄のような苦しみから逃れたいのは分かるけど
じゃあ残された人達の気持ちはどうなるのか。



一番悲しむのは家族
相談もされない、何も知らずに自分の子供が死んでいくなんて



そんなの悲しすぎる...


悲しませてる時点で結局は自殺もいじめと一緒なんだよ...。





「やっぱり...復讐する方法は...死ぬ事が一番なんだよね?」



「違う!もっと他に方法が...っ!!」





いじめられてる事を誰にも言えなかった彼女は
最後の最後まで素直になれなかった瞬間だった。




コンクリートから足を離して
そのまま体を下に向かって投げた時




「きゃっ...!!」




私の声なのか彼女の声なのか分かんないけど小さな悲鳴が...。





彼女が飛び降りた時、もう駄目だと咄嗟に手で目を隠したけど




「............えっ?」



恐る恐るその手を退かすと...
彼女の手をガッチリと掴んでコンクリートの上に引き戻す流の姿がそこに。




よかった...なんて、ホッとしてる場合じゃない。





「やっと死ねると思ったのに...
な...んで、なんで助けたんですかっ!!!!」




怖くて、辛くて、それでも死ねなかった彼女が大声で叫ぶ。