【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







勢いよくドアを開けた人物が
自殺防止のために作られた大して役に立たないフェンスを簡単に乗り越える。




えっ...?



あれって、完全に飛び降りる気じゃん!!!!



「ちょっ、そこのあなた!!!!
危ないからこっちに戻ってきなよ!!!!」




今日は風も強いし、もし風に背中を押されたら、それこそ一瞬で人生の終わりだよ。




なんとか説得しようと大声を出すけど
まったく聞き耳を持ってくれない。




「どっ、どうしよう!!!!
ねぇ流どうしよう!!」



パニックに陥る私の隣で流はどうでも良さそうに欠伸。




「ちょっ!!欠伸してる場合じゃないでしょ!!」



ペシっと軽く流の背中を叩く。




「あ?別に止める必要ないんじゃね?
だって自殺だぞ?自分で色々決めた結果がこれだろ?」



「そういう問題じゃないでしょ!!」



もうっ...!


なんでこの男は他人に対してこうも冷たいんだろう...