【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







「俺がいるのに二人の世界に入らないでくれる?」



パンパンとわざとらしく手を叩く圭。


ハッと我に返った、そういえば圭居たんだっけ?




「んだよ、せっかくムギちゃんといい感じだったのに...。
俺屋上でキスするのが夢なんだぜ?
圭が邪魔しなきゃ、雰囲気的に絶対イケた」




言いながら、人差し指を立てる流。




このケダモノ



人前でキスするなんて絶対やだよ。



私の気持ちも考えてほしい。




「圭、止めてくれてありがとう」


「いや?別に」




目と目が合ったけど、すぐそっぽ向く圭。





付き合ってる頃より、当たり前素っ気ない圭に意味もなく笑ってしまう。



自然に話せてる


ほんと、自然に。




嫌いとか好きとか依存とか


一体私はなににこだわってたのか。



今となっては思い出話。



出会いがあれば別れもあるって
こういう事の繰り返しなのかな...?





それじゃあ次は流と別れることになっちゃうよね...?



そんなの絶対嫌...




「りゅう!」



ポテチをバリバリ食べてる流に熱い瞳で訴えかける。




「なんだよ?」



「絶対私のこと離さないでね?」



「...?当たり前だろ?
つかお前こそ離れんなよ?」