"元彼"



出来ることなら関わりたくない存在。



しかもヒドイ振られ方したなら尚更だ。



ーーーだけど。




「...でっ?話ってなに?」



雪解けのある日。
屋上から眺めた風景は、いい感じに春を表していた。



私は圭に屋上に呼び出されて、フェンスにもたれながら座ってる彼の隣に立っている。




「...」


「...だから話ってなに?」


「...別に」


「...」



別にってなによ...


じゃあなぜ貴重な休み時間を無駄にしてまで
私を呼んだんだこの男。



イライラして
持っているいちごミルクが入ってる牛乳パックを潰しそうになった。




「...流とは上手くやってんのか?」




顔を上げて私を見る圭。
サラサラな茶色の髪が風で揺れて余計サラサラに。




「上手くやってるよ...。
超ラブラブだし...」



「そうか、よかったじゃねーか」



「おかげさまでね!!
流は圭より優しいしほんといい男なんだからっ」



「そんなのお前に言われなくたって知ってる」



「...」