【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー








神庭さんはそれはそれは強かった。


変な心配がいらないくらい、何10人の相手を1人、また1人と倒していく。



そんな神庭さんを、大きなゾウの滑り台の物陰に隠れてひっそりと見てる私。




「ぎゃははは!!全員まとめて相手してやるよ!!」



長い手足を上手く使って相手の急所を狙っていく神庭さんは下品だ。



笑い声と鈍い音と、そして。
真っ黒で見えなかった星達が、空を明るくし始めた。





早く終われ...早く終われ...



祈りながらギュッて。
自分の手を手で掴み、落ち着かせる。





喧嘩が終わるのを待った。
普段子供達が遊ぶ平和なこの場所で
不良同士の喧嘩が行われてるなんて、誰が想像するんだろう。




耳が鈍い音に慣れてきたせいか
あんまり音が聞こえなくなって不安になり、物陰から顔を恐る恐るだしてみた。