「神庭!!今日という今日はぜってぇ許さねえからな!!!!」
「人数考えてもの喋れよな!!このクソガキ!!!!」
バイクから降りて一斉にこっちに向かって走ってくる不良達。まさに地獄絵図。
私の隣にいる神庭さんは笑ってた「ククッ...」と小さく肩を震わせながら。
一方、巻き込まれた私はこっちに向かってくるヤンキーの集団にビビりすぎて足をガクガクと震わせていた。
「おい女、お前戦えるか?」
ガシッと私の肩を掴んで、空気の読めない事を言ってくる神庭さん。
「た...戦えるわけないじゃないですかっ!!
無理無理無理!!私一般ピーポー!!」
「だよなー...まあ別に期待してたわけじゃないけど。それじゃあ、どっかに隠れとけよな!!!!」
悪魔だ...悪魔すぎる。
自分からヤンキー達に向かって走っていく神庭さんは、心底楽しそうに喧嘩を始めた。
拳でバキバキ!と。長い足でドカドカ!と。
痛々しい音が夜中の公園に広がる。
1人の不良相手に大勢の不良が押されてるなんて...私は夢でも見てるのかな...?


