コンコンッ

「朱鳥、入るよ」

そう声をかけてから病室に入ると、朱鳥は不安そうな顔でお腹を見つめていた。

けど、すぐに葉月と柚月に気付いて表情が少し明るくなる。

「ままー!」

「まんまーー!」

俺が繋いでいた2人の手を離すと、2人は嬉しそうに朱鳥のベッドサイドにかけよる。

「葉月…柚月……」

朱鳥は、ニコッと微笑んで、2人の頭を撫でる。

葉月と柚月をベッドの上へ上げてやると、朱鳥は愛おしそうに二人をギュッと抱きしめた。

「まーま、らいじょぶ?」

「いたいのぉ?」

「大丈夫だよ。ママは元気。痛くもないよ。ただ、もうすぐ産まれる赤ちゃんが元気になれるようにしてるだけ。」

「あかちゃん?」

「そう。葉月と柚月はもうすぐお姉ちゃんとお兄ちゃんになるんだよ。」

「ふぅーん」

「あかたん、げんき、なーれ」

少し舌っ足らずな柚月と、しっかり者の葉月

2人ともまだ幼いながらも、赤ちゃんのことも朱鳥のことも心配してくれている。

「まんま、も、げんき、なってね」

「ままもげんきになーれ!」

図星を突かれたような言葉に朱鳥も俺も驚きつつも、朱鳥はすぐに笑って

「うん!!ママも元気になって、頑張るね!!」

と答えた。

やっぱり、うちの天使たち(葉月と柚月)は幸せを運んでくれるな

なんて、親バカかな?(笑)