救急の入り口に着くと、既に陽向が待っていてくれた。

「陽向、ありがと。葉月、寝てるから大丈夫だとは思うけど、何かあったらお願い」

「了解。」

俺は寝ている葉月を陽向に渡して、救急の受付へ向かった。

幸い、今日はとても空いていて、すぐに診察室へ通してもらえる。

「こんばんは…って、清水先生じゃないですか。お子さん、ですか?」

「あ、はい。ちょっと、熱出しちゃったみたいで…」

知り合い、とまではいかないが、何度か見た事のある、多分内科の先生。

俺は、診察用のベッドに柚月を寝かせた。

柚月の診察は、俺がやってもいいとは思ったんだけど、やっぱり自分が診ると、自分の子ってこともあって焦りそうだから、他の先生にお願いすることにした。

「じゃあ、ちょっと診ますね~」

柚月は、少しグズグズしてるけど、俺が頭を撫でてやると、俺の服の裾をキュッと握って、少し大人しくなる。

「熱は高いけど、その他に症状はあんまり無さそうですね…。でも、咳は気になるな。……肺炎の可能性もあるので、レントゲン撮ってみましょうか」

「はい、お願いします。」

俺は、柚月を抱っこしてレントゲン室に連れていった。