"大丈夫だよ。大丈夫。いっぱい泣いていいよ。泣いた後は、ちゃんと気持ち、晴れるから。"

「うぅっ…………」

私は、たくさん泣いた。

声をあげて、子供に戻ったみたいに泣きじゃくった。

……いや、本当は、まだ、心は子供なのかもしれない…

楓摩の声が、暖かくて、心を締め付けていた何かが外れたみたい。

"よしよし。…………今は、悪いこと、辛いことは考えなくていい。楽しいことだけ、考えよう?…もう、幸せはすぐそこだから"

「う…………ん…ヒック……グスッ」

"よしよし。いいこいいこ。朱鳥は、偉いね。いっぱい頑張って偉い。もう、少し力抜いていいから。"

泣き続ける私に、楓摩はずっと声をかけ続けてくれた。






そのまま、泣き疲れて寝てしまった私。

その日は。久しぶりに、いい夢を見れた。